「勉強は苦手だけど、将来エンジニアになりたい」「プログラミングってセンスが必要?」と考えている人は多いと思います。
結論からお伝えすると、センスや学歴はエンジニアの仕事に少しだけ影響します。
この記事では、エンジニアの仕事とセンスや学歴の関係性、センスや学歴以上に大切な自走力と継続力をご紹介していきます。
目次
エンジニアにセンスと学力は関係あり
最初にお伝えしましたが、エンジニア業界ではセンスや学歴が少しだけ仕事に影響します。
この記事を書いている当ブログの筆者は、現在も現役でシステムエンジニアをしています。私も最初は独学でプログラミングを勉強し、入社直後の研修や配属当初はセンスや学力の重要性を感じていました。
しかし、多くのプロジェクト経験を積んだ今では、日々の業務をしっかりと考えて取り組むこと、そして日々の勉強の積み重ねがエンジニアとして必要な要素だと実感しています。
『センス』=『論理的思考力』
エンジニアにとっての『センス』が最も現れるのは『論理的思考力』です。
論理的思考力とは「物事や事象を体系的に整理することで、矛盾のない筋道を形成する思考法」のことで、ロジカルシンキングと呼ばれたりもします。エンジニアとして働くには『プログラミング』『マネジメント』『コミュニケーション』など様々な能力が必要と考えられ、これらのスキルの根本には論理的思考力が必要不可欠となっています。
例えば、大型連休に東京から大阪に旅行するとします。「東京から大阪にたどり着く」という目的を達成するためには、大阪に行くまでの経路や手段を決める必要があります。
東京から大阪までの経路と手段の例
- 飛行機:移動時間は短いが、ハイシーズンは値段が高い
- 新幹線:飛行機より移動時間は長いが、値段は安い
- 車:飛行機や新幹線より移動時間は数倍かかるが、最安値で行ける
求めている条件に合わせた交通手段を選び、ルートを決めてから大阪までの道筋をスケジューリングします。友達と行くのであれば出発時間を遅くしたり、寝坊するリスクも考えておいた方がいいかもしれません。
このように、『様々な要素を考慮しながら、理想や目的に最も近い経路を整理して選択する過程』こそ『論理的思考力』です。
実は『論理的思考力』は誰もが普段から持ち合わせています。実際は、エンジニアになりたての状況だと『センス』の差を感じることは多々ありますが、センスは磨くことができます。
「論理だてて考える力」(=論理的思考力)を鍛えることで、エンジニアとして大きな飛躍を遂げることができるでしょう。
『学歴』=『土台』
学歴がエンジニアの仕事に関係あると言ってしまうと、頭のいい人にしかできない仕事であるかのように感じてしまうかもしれません。
実際はそうではありませんが、『学歴』は学力、つまり学ぶ力を培ってきた人が持っているスキルのようなものです。ほとんどの業界・職種において、学歴は多少なりとも重要視される項目の一つと言っていいでしょう。それだけ社会人としての仕事には『学ぶべきこと』が多いと考えることができます。
エンジニアという仕事についても同様で、専門分野に特化した知識が必要な現場やプロジェクトが多くを占めます。
「学校で学んできた国語や数学が必ずしも仕事に直結するか」と問われると、必ずしも直結するとは限りませんが、優秀な『学歴』を持っている人は学ぶ力に秀でた才能を持っていると言えるでしょう。それは学習に対するひたむきさや、分からないことを自力で調べる行動力かもしれませんし、有識者に気軽に質問できるコミュニケーション能力かもしれません。
『学歴』は間接的に仕事にプラスの影響を与える『土台』の役割を担い、難しい作業をこなすことのできるスキルを身に付けるための支えとなります。
学歴が良いからエンジニアに向いているという訳でもありませんし、学ぶ力も後天的に身に付けることが可能です。ここからは、エンジニアとして働くために欠かせないものをお伝えしていきます。
自走力と継続が必要
上記では『センス』や『学歴』がエンジニアの仕事と関係あるとお伝えしてきました。
しかし、「センスがあって高学歴の人でないとエンジニアにはなれないのか?」というと、決してそうではありません。エンジニアとして働くうえで大切な要素をいくつか紹介していきたいと思います。
『自走力』=『情報収集と課題解決』
『自走力』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
エンジニアに必要な要素としてしばしば取り上げられる言葉ですが、言語的な意味としては「自分自身の動力によって走る」ことです。この説明のまま受け取ると「何でも自分自身で解決する必要があるのか」と感じるかもしれませんが、それは勘違いです(そのままの意味で伝えてくる人もたまにはいますが、、、)
自走力を実現するためには、下記のような行動を意識することがとても大切です。
自走力を実現する行動
- 普段から知識を身に付けるための情報収集を習慣づける
- 疑問点はまず自分で調べる
- 疑問点を解決できない場合は質問する
1の情報収集は、言い換えると勉強の習慣付けをするということです。
エンジニアはかなり専門分野に特化した職業になるため、未経験から始めた人にとっては意味不明な単語が飛び交うアウェイな空間です。なんとなく聞いたことある言葉を増やし、最初は分からなくても調べればすぐ理解できるようになることで、現場でも一人前の仕事を任されるでしょう。
そして2と3の疑問点に対する姿勢こそ、得に使われる自走力が問われる部分です。
エンジニアに限らず、仕事をしていると疑問点は必ず発生します。当たり前ですが、入社したてであれば分からないことをすぐに質問しても問題ありません。しかし、数年たっても他力本願で仕事をするだけでは自分自身の成長に繋がらないですよね。
徐々に身に付けていきたいのは、[疑問点発生 ⇒ 調査 ⇒ 解決OR未解決 ⇒ 疑問点と質問項目の整理 ⇒ 質問]の流れを意識することです。
疑問点が発生したら、まずは自分で調査します。答えは現場のドキュメント類の中にあるかもしれませんし、インターネット上の記事から得られる情報かもしれません。それでも解決できない場合は、疑問点と質問項目の整理をします。
私は、この質問の仕方が最も重要だと考えています。
理想は、できるだけ質問を受ける側がYESかNOで回答できる聞き方をします。YESの場合はほとんど相手の時間を消費することなく解決でき、NOの場合でも自分の疑問点(なにが分からないのか)を相手が理解できるので、回答もしやすくなります。
YESかNOで回答できるような質問の仕方を意識すればチーム内の上司にも迷惑がかかりませんし、自分でそれなりに時間をかけて調べた内容は身に付きやすいものです。このように『情報収集と課題解決』を習慣付けをすることで、自分自身の力で走ることができるようになります。
『継続は力なり』
私が人生の教訓として最も大切にしているのは『継続は力なり』です。個人的には『努力は必ず報われる』よりも現実的で腑に落ちる言葉なので、常に意識するよう心掛けています。
私自身の経験上、学生のテスト期間や社会人としての業務を心の底から楽しんで取り組んでいる人をみたことがありません。多少の偏見はあるかもしれませんが、良い学校に入るために勉強をし、生活するためのお金を稼ぐために仕事をしている人が大半を占めると思います。
そんな中でもより仕事環境を良いものにし、自分が活躍できる存在になるためには知識や経験が必要です。得た知識や経験は力になり、いずれは地位や名誉を獲得するための財産になるかもしれません。
大人になってからでも日々の勉強で知識を、エンジニアとしての業務で経験を積み、プロジェクト内で活躍するためにはやはり継続することは必要不可欠です。高すぎる目標を掲げるよりも、まずは『続けること』を意識してみましょう!
エンジニアとして働き続けるために大切なこと
論理的思考力を身に付けたり、自走力を高めたりするのは少し時間がかかると思います。
今すぐにでも意識できて、かつエンジニアとして働くために大切な要素をいくつかご紹介します。
コミュニケーションを大切にする
パソコンでプログラミングコードを書いているイメージの強いエンジニアという職業は、コミュニケーション能力は必要ないと思われがちです。しかし、実際に働いてみるとコミュニケーションをとるのが一番重要な要素なのではないかと気づかされます。
例えば、あるシステムを作るプロジェクトがあり、お客様との打ち合わせでシステムの使用用途やスケジュール感などの方向性が決まります。
プロジェクトが始動し、工程が進んでいくといくつものチームが構成されます。複数の企業から各チームに作業者が派遣され、上司や部下という立場も相まって多くの人が入退場するカオスな職場になりがちです。
もし、チームの異動があると今までの作業通りの進め方では通用しなくなり、チームごとのルールやスケジュール感に沿った仕事を求められることが多いです。そんな中、誰にも質問せずに自分だけのやり方でタスクを完了することができるでしょうか?
お客様からの依頼、作業者同士での認識合わせ、不明点の質問など、常に確認すべきことが押し寄せてきます。エンジニアとして働いていると、多数の人と関わり、自らコミュニケーションを取りに行く重要性を実感する人がほとんどでしょう。
身近なひとに話しかけてみたり、会議の最初や最後にたわいもない会話をするだけでも、とても意味のある大切なコミュニケーションです。小さな変化でもいいので、行動に移してみましょう。
知識付けを習慣化する
何度かお伝えしていますが、エンジニアは専門知識に特化した職業だと言えます。
狭くて深いだけならまだいいのですが、新しい技術は日進月歩で進化し、時代の流れに合わせて必要な知識が増えていくことも考えられます。もしかしたら明日にでも「Web開発チームからデータ移行チームに異動ね」と言われるかもしれません。
ほとんどの上司はやさしく教えてくれるはずですが、広くて浅い知識を持っていれば「何が分からないのか分からない・・・」という最悪な状況は免れます。ある程度の前提知識があれば、自分で考えて調べたり、不明点を洗い出して『疑問点と質問項目の整理』をすることもできます。
疑問点と質問項目の整理
[疑問点発生 ⇒ 調査 ⇒ 解決OR未解決 ⇒ 疑問点と質問項目の整理 ⇒ 質問]
知識付けの習慣は人それぞれです。ニュースを見たり、参考書を読んだり、資格の勉強をしてみるのもおすすめです。
『本業は勉強、副業で躍進』というメンタル
エンジニアに限らず、本業での仕事環境がよくなかったり、新人の頃は成長している実感がわきにくかったりします。おそらく多くの人が、一度は仕事に行くのが憂鬱になったことがあるのではないでしょうか?
実際、日々の努力が実を結んでいるかが分からなかったり、仕事で失敗して落ち込んでしまうことは多々あるでしょう。
本業での居心地の悪さや仕事環境をすぐに改善できずに困っている方は、『本業は勉強、副業で躍進』という精神で取り組んでみるのもおすすめです。この考え方は、人生を生きるうえで大切な『選択肢はひとつではない』という感覚を持つことに準じています。
特にエンジニアは続ければ様々な知識を得ることができ、なかにはオリジナリティ溢れるスキルが身に付くこともよくあります。いますぐとは言わずとも、数ヶ月後のタイミングで副業してみようと決心するだけでも楽しみが増えるものです。
在宅勤務が一般的になってきた昨今では、通勤が無くなって浮いた時間を副業にあてるのも一つの手です。また、在宅ワークだけで完結したり、他人とほぼ関わらずにできる副業が多いのも、エンジニアという職業の特徴です。
「本業がすべてではない」という考えを持ちながら、心に余裕を持った生活をできるようセルフケアしていきましょう。
エンジニアの仕事にセンスや学歴は必要? まとめ
今回はエンジニアとセンスや学歴の関係性、より大切な要素である自走力や継続力について説明しました。
まとめ
- 『センス』は『論理的思考力』
- 『学歴』は『土台』
- 『自走力』は『情報収集と課題解決』
- 『継続は力なり』を信念にする
- コミュニケーションを大切にする
- 知識付けを習慣化する
- 『本業は勉強、副業で躍進』というメンタル
エンジニアとして働くにはセンスや学歴が必ずしも必要という訳ではありませんが、知識の土台や意外と軽視されがちなコミュニケーションも大切です。論理的思考力や学ぶ力も合わせて身に付けていけるように頑張っていきましょう!