月20時間の残業と聞くと「結構働いているなあ」と思う人もいれば、「めっちゃホワイト企業じゃん」と考える方もいるでしょう。
この記事をご覧になっている皆さまにとって、月20時間の残業は多いでしょうか?それとも少ないでしょうか?
筆者としてはワークライフバランスのとれた『ちょうどいい残業時間』だと感じますが、定時上がりできるならそれに越したことはありません。心身ともに健康な生活を送れるような仕事の仕方が理想です。
この記事では、月20時間の残業について解説していきます。残業代や生活リズム、健康面や精神的なきつさを実体験を交えてご紹介します。
目次
社会的な月20時間の残業
個人的な話をするより先に、社会的(一般的)な月20時間の残業についてお伝えしていきます。
【性別/年代別】平均残業時間
日本労働組合総連合会「36協定に関する調査2017」によると、社会全体の平均残業時間は22.5時間となっています。
性別の違いを考慮すると、男性は26.2時間、女性は16.3時間と、約10時間ほどの差が開いていることが分かります。
また年代別でみると、男性は40代が最も働いていて、女性は20代が残業時間のピークとなっています。これは男性は年齢を重ねるにつれて役職に就く人が多く、忙しさゆえ自然と残業することが増えていくためで、女性は妊娠や出産後には仕事量を抑える傾向にあるためだと考えられます。
月20時間の残業代
残業代の支払いは法律で定められており、「1時間あたりの基礎賃金 × 割増率 × 残業時間」で計算することができます。
ここでは細かい計算はしませんが、正社員の月20時間の残業では4万円前後の残業代が手に入ります。基本給が低い人にとっては生活するうえで必要な資金となるかもしれませんし、生活に余裕があっても手取りの給料が増えるのは嬉しいものです。
労働の対価として残業代を稼ぐのは選択肢の一つですが、大切なのは自由な時間と給料を天秤にかけて、より大切な方に重きを置くということです。もし最低限の生活をするための残業(生活残業)が必要という状況にあるのであれば、転職などの環境改善のために動いてみるのもいいかもしれません。
月20時間の残業をしている生活
月20時間の残業をしている社会人の生活リズムはどのようになるでしょうか。
平日の生活リズム
- ~8:00:起床・支度
- 8:00~9:00:通勤(出社)
- 9:00~19:00:業務(残業込み)
- 19:00~20:00:通勤(退社)
- 20:00~22:00:食事・風呂
- 22:00~24:00:自由時間
- 24:00~:就寝
上記の例は所定労働時間が8時間の場合で計算しています。月20時間の残業時間で稼働日数が1ヶ月で20日と仮定すると、1日約1時間の残業をしていることになります。
仕事の準備や通勤時間を引いた自由時間は1日2時間ほどとなりますが、少なからず自分の好きなことに使える時間は確保できます。仕事して帰って寝るだけの生活、というような最悪の状況は免れることができるでしょう。
月20時間の残業はきついのか?
ここからは実際にサラリーマンとして働く筆者や周りの人の意見を取り入れながらお伝えしていきます。これから社会人として働いていく方、正社員になるか迷われている人などは参考にしてみてください。
きつくはないが早く帰りたい
上記の生活例を見れば分かるように、月20時間の残業がある生活はそこまできつくはありません。繁忙期で忙しい時期もありますが、それでも1日1時間程度の残業なら乗り越えることができます。
しかし、やはり定時の時間よりも長く働くことに嫌悪感はありますし、できることなら残業なしで帰りたいというのが本音です。家に帰って自由な時間を過ごしたり、家族との団らんを優先したいという気持ちが勝ります。
個人的にはワークライフバランスを大切にしたうえで仕事をし、ブログを書いたりする時間も大切にしています。ストレス発散のためにも毎日ゆっくりする時間を確保するのがおすすめです
続きを見る
仕事とプライベートは切り分けるべき?|うまく切り替えるコツとQOLの向上
月30時間を超えたあたりから憂鬱になる
筆者は現在もエンジニアとして働いていますが、プロジェクトのリリース時期や障害対応の際は月40時間くらい残業することもあります。
残業時間が月40時間を超えると、1日約10時間も仕事をすることになるので心も体もぐったりします。ただ実際は、月30時間(1日1.5時間)の残業あたりから疲労の蓄積を感じるようになります。
人によって基準は違うと思いますが、残業時間が30~40時間を超えてくると仕事とプライベートの切り替えが難しくなることでしょう。
建設業界で働く友達は月100時間以上残業していたと言っていましたが、当時はまともな人間の生活を送れていませんでした。睡眠時間や休日を削るような働き方は百害あって一利なしなのでやめましょう。
通勤時間や在宅勤務を考慮する
在宅勤務をうまく活用することができれば、月20時間の残業をしていてもプライベートの時間を確保することができます。筆者は通勤時間が片道1時間30分ほどかかるため、テレワークのおかげでバランスのとれた生活を送ることができています。
残業時間が多少長くても、職場から近い距離に住んでいれば生活に余裕があり、通勤時間が長いと朝早く家を出て帰宅も夜遅くなってしまいます。
通勤時間や在宅勤務の有無を考慮して、自分にとって最善な残業時間の線引きをしておきましょう。
正直、残業代も捨てがたい
基本的には残業はないに越したことはありませんが、翌月の給料明細をみると残業して良かったと思うのも事実です。月20時間ほどの残業で数万円の手取りが増えることを考えると、大きなストレスでない限りでは残業しても良いのではと思ってしまいます。
ただ、これも自分自身の体調管理やワークライフバランスとの兼ね合いです。
残業代で給料が増えることに味を占め、無駄に残って仕事をするような癖がつく可能性もあります。また生活残業が常態化しているのはよくありません。
程よい残業で充実した人生を送れるのがベストだと考え、無理に残業はしないように心がけましょう。
残業するなら金曜日がいい
筆者は一般的なサラリーマンと同様に土日が休日なので、翌日が休みであるという開放感があるだけで金曜日は残業しても良いというモチベーションが生まれます。
テンションが上がりにくい月曜日や火曜日はできるだけはやく帰り、週末に向けて徐々に残業を増やしていくのが理想です。
しっかりとスケジュール管理することで、残業する日にちをある程度調整することが可能なこともあります。しかし、なかなか仕事が終わらないためにはやく帰ることができない、と悩みを抱えている方も多いでしょう。
ここからは早く帰るための対策をいくつかご紹介していきます。
早く帰るための対策
残業をせずに上がりたくても、仕事が終わらないために早く帰れない人も多いと思います。業務内容や職場環境によって難しい場合もありますが、仕事から早く帰りたい人が実践すべき対策をいくつかご紹介します。
仕事の効率化
仕事が終わらず帰れない、という方はまず仕事の効率化に目を向けてみましょう。
仕事の効率化
- 業務の締切日や難易度を確認する
- 業務内容に優先順位をつける
- より良い対応方法(ツールの活用など)を検討する
タスクには締切日があり、その内容にも難易度や時間がかかるか否かなどの要素があります。まずは業務内容を確認し、『締切日が短くて簡単に終わる仕事』から片づけるようにしましょう。
そのうえでより良い対応方法を日々模索するようにしましょう。例えば事務仕事であればExcelをうまく活用することで生産性を向上することが可能です。
そのためには上司から教わった方法が最善なのか、より良い方法はないのかと考える必要があります。スケジュールに余裕がある際はぜひ検討してみてください。
上司に相談
仕事内容だけでは残業時間を減らすことができない環境に身を置いている人もいるでしょう。振られる業務量が多かったり、そもそも職場環境が残業体質だったりすることはよくあります。
そのような場合は、上司に相談してみることも大切です。上司も今のあなたと同じような環境で仕事してきたはずなので、長時間労働の大変さやタスク管理の難しさを分かってもらえるでしょう。
上司に相談するのが難しいのであれば、年の近い先輩や同僚、友達や家族に話してみるのも一つの手です。できるだけ自分一人でため込まず、精神的に追い込まれる前に相談してみましょう。
転職する
上司のマネジメント能力やスケジュール管理、また会社の体質が悪く相談したところで何も変わらない場合もあります。上司や会社関係者に相談しても改善しない場合、あなた自身の行動だけではどうもできないと割り切って転職活動をしてしまいましょう。
結局は勤務先の会社と配属されたチームや上司次第で職場環境が決まってしまうのも事実です。大企業や中小企業に関わらず、職場環境の良し悪しには運がつきものです。
最近では転職サービスの充実化に伴い、転職への悪印象はほぼないと言えるため、まずは仕事を続けながら転職サービスの登録やチューターとの面接などを進めてみてください。
自分の求める条件(給料・業種・業務時間など)の優先順位を明確にして、企業リサーチや情報収集をすることも大切です。転職先がまた劣悪な労働環境という最悪なケースだけは避けたいですからね。
月20時間の残業はきつい? まとめ
この記事では月平均20時間の残業をする生活と、実際に働いている筆者の経験談をふまえた意見をお伝えしました。
月20時間の残業はきつい? まとめ
- 月20時間の残業は社会全体でみると平均以下
- きつくはないが早く帰るに越したことはない
- 早く帰るための対策
残業に耐えられない場合は転職も視野に入れながら、早く帰るための努力をしてみましょう!