「仕事とプライベートは切り分けるべきなのか?」「仕事とプライベートの切り替えがうまくいかない」と悩んでいる方は多いと思います。
実際、仕事とプライベートは切り分ける方がメリットが多いと言えるでしょう。公私混同しないことで精神的かつ肉体的にも余裕が生まれ、充実した人生を過ごすための基盤となります。
今回は、仕事とプライベートを分けて考えるメリットと、切り替えのコツをご紹介していきます。
目次
『仕事好き』な人はめずらしい
実際に仕事を心の底から楽しんでいる社会人はどれだけいるのでしょうか。
もちろん日々の業務にやりがいを感じている人もたくさんいるとは思いますが、『生活のため』『世間体のため』などの義務感が心のなかに存在するのも否定できませんよね。筆者もしがないエンジニアとして働いていますが、周りで仕事を楽しそうに取り組んでいる人はあまりいません。
『仕事にやりがいを感じる』のと『仕事が好き』というのは別物です。『仕事=趣味』である人以外は、明確に仕事とプライベートを切り分けることをおすすめします。
仕事とプライベートは切り分けるべき
「仕事とプライベートを分けて考えるべきか?」という問いに対して、「その人の状況によります」と言った中途半端な回答はしません。私の経験や周りの意見から考えると、仕事とプライベートは分けて考える方が一般的な社会人には適しています。
では、なぜ仕事とプライベートを分けるほうが良いのでしょうか。その理由についてみていきましょう。
仕事は心身ともに疲れる
世の中には様々な仕事が存在しますが、どのような職業・職種に就いても疲労と無縁とはいかないものです。
立ち仕事ではフィジカル的な観点で疲労が溜まっていくでしょうし、人間関係の複雑な現場ではメンタルケアが必要なほど精神が疲弊してしまうかもしれません。人それぞれ疲労の度合いは異なるとは思いますが、一般的に仕事は疲れるものです。
そんな精神的かつ肉体的な疲労を放置し続けるのは得策とは言えません。プライベートで趣味などに打ち込むことで、仕事の心配や不安を一時的に忘れることのできる環境をつくっておく必要があります。
ちなみに疲れが溜まりすぎると、目にみえて身体の不調を感じるようになります。次のような症状が出てきたら疲れがピークに近いかもしれないので、しっかりとリフレッシュする時間を確保しましょう。
疲労が溜まると起こる症状例
- いつもより寝起きがつらい
- なんだかやる気が出ない
- 時間帯に関わらず眠気を感じる
- 普段より食欲を感じない
- 身体の節々が痛い
ハラスメントになりうる危険性
仕事が好きだったり、人生の大半を仕事に捧げてきた人も多いと思います。昔は『仕事がすべて』という時代でもあったので、長時間労働や休日出勤に対する社会的な問題意識は薄かったかもしれません。しかし、近年では労働環境の整備も進み、仕事とプライベートを明確に分けたいと感じる人が増えてきました。
仕事選びも残業時間や勤務場所を基準に選ぶ人も多くなり、今まで以上に多様性を求められる時代になったと言えるでしょう。そんな中で『なによりも仕事を最優先しろ!』と主張するのは、もはやハラスメントになってしまう可能性もあります。自分が思っている以上にハラスメントの基準は低いもので、悪意のない発言だったとしても問題行為になりかねません。
一般的に仕事とプライベートを分ける選択肢が普及している以上、意味もなく残業させたり土日出社を強要させる行為にメリットはありません。『自分は休みの日が仕事になっても大丈夫』と思うのは自由ですが、その考えを他人に押し付けるのは絶対にやめましょう。
まずは自分自身で仕事とプライベートを分ける意識を持っておくと、今後チームや部下を指導する立場になったとしても問題ない立ち回りができますよね。
仕事とプライベートを切り分けるメリット
仕事とプライベートを明確に切り分ける必要があるとお伝えしましたが、仕事とプライベートを分けるとどのようなメリットがあるのかご紹介していきます。
気持ちのリセットができる
どれだけ慎重に仕事を選んだとしても、責任のない仕事はありません。
責任を負うということは不安やストレスも抱えることであり、仕事での失敗や心配事を業務外でも常に考えてしまう状況もありえます。そんな後ろ向きになりがちな気持ちをリセットするためにも、休みの日は仕事について考えず気分転換をしましょう。
気持ちをリセットすると、仕事だけでなくプライベートにも大きなメリットがあります。
気持ちを切り替えるメリット
- 仕事での生産性が上がる
- 気分が前向きになる
- 新しいことを始める精神的余裕が生まれる
憂鬱な気持ちを抱えたまま仕事をするより、気持ちを切り替えた状態の方が生産性が上がるのは言うまでもありません。気分が前向きになると精神的な余裕も生まれ、何事にも挑戦するモチベーションが高まります。
また、楽しいことや好きなことをしていると”幸せホルモン”とも呼ばれるセロトニン(心のバランスを整える脳内物質)が分泌され、幸せを感じやすくなると言われます。常に仕事の心配事を考えているよりも、気持ちのリセットをしてチャレンジングな日々を送る方が、楽しい人生と言えますね!
QOL(人生の質)が上がる
QOLとはQuality of life(クオリティ オブ ライフ)の略称で、よく『単に生きるだけではなく、充実した人生を過ごすこと』という意味合いで使われる言葉です。QOLの向上には、以下の要素が関係していると言われます。
QOLの向上とは
- 心身ともに健康である
- 自立した生活ができている
- 社会とのかかわりを大切にしている
大前提として心身ともに健康である必要があり、日々の生活を楽しく過ごす基盤となるものです。何よりもまず健康第一であることが大切です。
また、職場の関係性だけで心理的に満たされているのであれば良いですが、そうでないのであればプライベートでの社会的なかかわりも模索してみるのもおすすめです。
人生という大きな視点で自分を見つめなおし、『充実した人生を過ごすことができているのか』と考えてみてはいかがでしょうか。
仕事とプライベートを切り替えるコツ
仕事とプライベートを切り分けるメリットがあることをお伝えしました。
ただ、仕事とプライベートの切り替えは意外と難しいものです。仕事からプライベート、またプライベートから仕事への切り替えをするためのスイッチがあると、気持ちの整理がつきやすくなります。
そこで上手に仕事とプライベートを切り替えるコツも知っておきましょう!
1週間分のタスクを整理、逆算する
プライベートから仕事への切り替えで最も大切なのは、1週間分のタスクや目標を整理して逆算して考えることです。
1か月先のタスクをすべて洗い出して整理するのは難しいかもしれませんが、1週間分の仕事内容ならざっくりとでも見積もることはできるでしょう。今週、または来週でこなすべきタスクを洗い出し、1日あたりどれだけの業務量と残業時間で終わるかを計画します。
定時で上がれる日、頑張って残業しなければならない日などをあらかじめ知っておくことで、業務の整理をできるだけでなく気持ちの整理にもつながります。
タスクを整理する際、できれば突発的な作業が発生することも考慮してゆとりを持った計画を立てておきましょう。
仕事を持ち帰らない
やむを得ない場合もあるとは思いますが、できるだけ家には仕事を持ち帰らないようにしましょう。
仕事とプライベートの切り分けでは『場所の移動と雰囲気』がとても大切です。『オフィスは仕事に取り組む場所』『家はくつろぐ場所』という認識を保つことで、頭の切り替えもスムーズにできるようになります。
テレワークや仕事を持ち帰らざるを得なくなった場合は、家の中で仕事をする場所を一か所に固定しましょう。できるだけリビングから離れた部屋、理想は仕事部屋があると、家の中でも仕事とプライベートの切り替えが簡単にできるようになります。
ルーティンをつくる
ルーティンとは、習慣的に繰り返す所作や動作のことです。よくスポーツ選手が気持ちを落ち着かせ、普段のパフォーマンスを発揮させるために同じ動作をしているのを見たことがあるかと思います。
スポーツ選手と同じように決まった所作や動作をすることで、仕事とプライベートをうまく切り替えることが可能です。
例えば『最寄り駅の1つ前の駅で降りて歩いて帰る』『仕事終わりは近くのコンビニでカフェラテを買う』などです。自分のなかで仕事終わりのスイッチをつくることが目的なので、どのようなルーティンでも構いません。
あらかじめプライベートの予定を入れておく
仕事の進捗を気にせず、先にプライベートの予定を入れてしまうというのもおすすめです。
仕事のことだけを考えていると自分のプライベートは後回しになりがちですが、平日の夜にも趣味に没頭したい日はありますよね。リフレッシュするためにも、仕事終わりや休日に自分の好きなことをする予定を立ててみましょう。
例えば『20時から映画を観るために19時には上がる』『土日に旅行に行くために金曜日までにこの案件を片付ける』など、スケジュールさえ決めてしまえば強制的にプライベートへの切り替えもできるようになります。
ただ、仕事の繁忙期やどうしても休めない日など、周りへの影響を考慮してから予定は立てるようにしましょう。自分の代わりにプライベートを犠牲にせざるを得ない人がいる場合は、その人との兼ね合いかもしれません。あらかじめプライベートの予定をたてるのであれば、できるだけ早く「この日は休みます!」と報告しておくのが吉です。
小さな趣味と大きな趣味をつくる
仕事からプライベートに切り替えるのに最も効果的なのは、自分が没頭できる趣味を見つけることです。
そこまで時間を取らず仕事終わりにできる『小さな趣味』と、休日に時間をかけて取り組む『大きな趣味』を持つことで、仕事のことを忘れて趣味に打ち込むことができます。
小さな趣味と大きな趣味
小さな趣味: 料理 筋トレ アニメ など
大きな趣味: 食べ歩き スポーツ観戦 映画 など
趣味はQOLの向上にも役立ちます。「特に趣味がない」という人は、周りの人に合わせて何かをはじめてみるのもおすすめです。
仕事とプライベートは切り分ける まとめ
今回は仕事とプライベートは切り分ける必要性と切り替えるコツをご紹介しました。
小さな趣味と大きな趣味
- 仕事とプライベートを切り分けるべき理由
- 仕事とプライベートを切り分けるメリット
- 仕事とプライベートを切り替えるコツ
ぜひ参考にしてみてください!